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フレンテ・ダンス・ジュエルズ #3

サイトウマコトの世界 vol.3

VENCEREMOS

2015.3.12 THU 19:30 / 13 FRI 14:00 at Nishinomiya-shi Frente Hall

構成・振付:サイトウマコト Makoto Saitoh

​出演

関典子 Noriko Seki

針間恭子 Kyoko Harima

田近千晶 Chiaki Tachika

北原真紀 Maki Kitahara

長尾奈美 Nami Nagao

佐々木麻帆 Maho Sasaki

吉見英里 Eri Yoshimi

増田律夢 Rizumu Masuda

斉藤綾子 Ayako Saitoh

宮崎安奈 Anna Miyazaki

中津文花 Ayaka Nakatsu

森恵寿 Keijyu Mori

サイトウマコト Makoto Saitoh

 

アフタートーク司会:上念省三 Shozo Jyonen

第一部 A Medley

1. Yesterday (2014)

2. Eleanor Rigby (1992)

3. The Rain (2015)

4. 鞄女 (2008)

第二部 Abandoned City 忘れ去られた町

1. Pripyat

1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故によって住民が避難したため現在は無人の街になっている。

2. Bakersville

アメリカ合衆国の合併されていないコミュニティだった町。

3. Stromness

英国スコットランド北岸、オークニー諸島、18世紀にニシンで栄え、ハドソン湾会社の船の寄港地にもなった。今でも当時の石造りの家並みが残っている。

4. Into An Empty Hall

5. I Am Walking

​6. Hope They Come Back

7. Who Lived Here

8. IN MY ROOM (2013) FUKUSHIMA

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9. El Hotel Del Salto

コロンビアのテケンダマ滝近くにある廃ホテル。

1924年オープン、1990年代初頭に閉鎖された。

10. Venceremos (1990) - We Will Win

〜Jazz Dance Special Edition〜

Venceremos は「我々は勝利する」という意味のチリの革命歌。

​クーデター時、死ぬまで歌い続けたハラの最後の曲と言われています。

こんな時代だからこそ踊りまくるのです。さあ!

退廃は、洗練の極みにしか成立しない。例えば速すぎる程の激しいルンバは、その技巧の高度さよりも自暴自棄な退廃を漂わせはしないか。そして、身体を無生物のように扱い、一種のサディズムを思わせるような動きも同様だ。相手の脚を持ってしまうことで、その動きがどのように不自由になり、不随意になってしまったことからどんな予想もつかない奇妙で面白い動きが生まれるか! ここでは退廃が単に背景や気分にとどまらず、ダンスを支えるバックボーンとして成立しえていたように思う。

深い意味で、動きが何かの喩えとしてあることの鋭さについても思いは至る。たとえば、サイトウが見せる、手首をくるくると非常な速度で回す痙攣的なみごとな動きが、ここでは「手をつなぐことができない」というディスコミュニケーションの表象として結実している。他の作品の中でこの動きを見てもそのように見えないし、またこのような文脈の中で使われていたという記憶もない。一つの動きが、一つの世界を構築しようとするときに、別の重要なパートとして新たな意味を持ち得た/持たせ得たということについて、こういうことの蓄積が躍る者/観る者の財産になっていくのだろうなと痛感した。

さらに、サイトウの構成力でたいへん興味深く思ったのが、舞台上を一つのトーンに染め上げないということだ。シリアスとコミカルと言えば単純にすぎるが、異なる雰囲気を混在させながら、複雑な世界を作っていく。身体の動きそのものも複層化して、ダンサーの表情も層を作っているように思う。

チラシ裏面より(上念省三『50 years』評、「Jamci」1998年4月号掲載)

舞台:西尾竜司

照明:長谷美智子

音響:今里吉伸

主催:(公財)西宮市文化振興財団(フレンテホール指定管理者)

西宮都市管理株式会社

共催:西宮市

後援:神戸新聞社

​協力:ダンスの時間プロジェクト

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